【灘の昼ごはん365食目】largo「海老とバジルとチェダーチーズの生麺パスタ」

灘区に大きな被害をもたらした昭和13年の阪神大水害は7月5日、昭和42年豪雨は7月9日、いずれも台風に刺激された梅雨前線による集中豪雨によりもたらされた。灘クミンにとって前線と台風の組み合わせはトラウマなのだ。昭和42年豪雨では摩耶山のいたるところで土石流が発生し、大量の土砂が街を飲み込んだ。山が近いとはそういうことだ。普段はおだやかな六甲山だっていつ牙を剥くかわからない。もちろん山が近くていいこともたくさんある。山を降りればすぐ街があるという環境は神戸に住むことの大きなアドバンテージだと思う。山と街をつなぐ坂バス「水道筋商店街北」バス停からほど近い灘センター商店街の隠れ家系イタリアン「Largo」は山帰りに寄りたい店の一つ。和食器に盛り付けられたもちもちっとした太めの生麺に海老とチェダーチーズのソースが濃厚に絡み、休日の下山後とかにワインと合わせるとドンピシャだよなーなどと思いつつ、今日はぐっと我慢。店の前にはハイカーのためのリュックを固定する(らしい)フックまであるという山帰り仕様もうれしい。店を出ると商店街のアーケードにトリミングされた新緑の摩耶山が間近に見える。明日は登って下りて飲んで食うぜ!

largo「海老とバジルとチェダーチーズの生麺パスタ」
●場所
神戸市灘区倉石通2丁目(灘センター商店街)
●本日の昼食
海老とバジルとチェダーチーズの生麺パスタ、サラダ
800円(税別)


【灘の昼ごはん364食目】シバサクティ「カレーうどん」

インドルーツのカレーと日本のうどんが合体したカレーうどんは誕生当初はキワモノ扱いだったと思う、おそらく紆余曲折の歴史を辿ってきて「日本の味」として定着したのだろう。そんなカレーうどんの歴史を真っ向から否定するカレーうどんが灘にある。そもそも通常うどん店のメニューであるカレーうどんが、インド料理店で供されるのだ。まずうどんが皿に盛り付けられているというビジュアルにハッとさせれらる。皿うどんではなく皿カレーうどん。そして緑色がかったルー(ほうれんそうとチキン)の半端ないなんじゃこれ感。本当にこのビジュアルでいいのかという若干の疑問を感じつつ一口食べると爽やかなデカン高原の風が体の中を抜ける。インド文化が日本文化と融合してさらにインド化されるという前方伸身宙返り3回ひねり的なカレーうどんだった。案外神戸らしいメニューかもしれない。

シバサクティ「カレーうどん」
●場所
神戸市灘区水道筋6丁目
●本日の昼食
カレーうどん(ほうれん草とチキンのカレー)
700円


【灘の昼ごはん363食目】晃龍「炒飯」

神戸はウスターソース発祥の地だそうだ。今でも神戸市内には小さなソース蔵(というのか?)があり独自の地ソース文化を形成している。思い起こせばウスターソースは醤油と並ぶ食卓の必需品だった。カレーに天ぷら、エビフライ、そして豚まんにもソースを合わせるのが神戸流だった(と勝手に思ってる)。中華でも容赦しない、炒飯にだってウスターをかけた。久しぶりに「ウスターをかけた炒飯」を食べたくなった。といっても最近の味の濃い炒飯にウスターをかけるとくどくなってしまう。その点、畑原市場の中華惣菜「晃龍」の炒飯はウスターがよく合う。最初はそのままあっさり食べる。そして後半にウスターをひとかけした瞬間、中華と洋食が渾然一体となった神戸のソウルフードに変貌するのだ。

晃龍「炒飯」
●場所
神戸市灘区倉石通1丁目(畑原市場)
●本日の昼食
炒飯(ウスター味)
300円


【灘の昼ごはん362食目】蒸し料理ひのき「蒸し豚もやし定食」

小学生の頃、近所にモヤシを作っている家があった。家庭菜園レベルではなく大量に作っていたいわばもやし農家だ。周辺は六甲山の伏流水が湧く場所で豆腐屋などもあり、湧き水を利用した小さな産業だったのであろう。おそらく井戸に豆を浸して栽培していたのだと思う。路地の奥のアジトのような民家でひっそりとモヤシを作っていることが不思議で、一度その製造工程を見てみたかったが震災で跡形も無くなってしまった。せいろで蒸されたジューシーな厚切りの豚バラの下に隠れているモヤシを見てふとそんなことを思い出した。

蒸し料理ひのき「蒸し豚もやし定食」
●場所
神戸市灘区水道筋6丁目
●本日の昼食
蒸し豚もやし、ご飯、汁物、香の物
680円


【灘の昼ごはん361食目】Logic「昔カレー」

今から100年前、日本初の山茶屋カレーを供した「登六庵」の1913年レシピが「昔(いにしえ)カレー」として限定復活。鶏ミンチとジャガイモがごろり。茶店近くでとれた山菜も入れたそうでヤマ飯感が盛り上がる。売り切れ御免。

Logic「昔カレー」
●場所
神戸市灘区水道筋1丁目
●本日の昼食
昔カレー、玉子、サラダ、コーヒー
900円


【灘の昼ごはん360食目】チキンバターマサラ「Bセット」

昼160106

灘区を地層的に見ると高尾通〜国玉通あたりに、まるでカレールーに浮いたギーの様にうっすらと「インド層」がある。かつて摩耶山から流れ出す聖水「マーヤヤーマ」が山麓で湧き出し、そこにインド人が居住し、灘区〜旧葺合区独特の「高所性インド集落」を形成していった。やがて彼らはトーガガワ流域を南下、シノーハラ公園でしばしばネイティブナダクミンとグランドの取り合いで衝突した(俗に言う印ナ紛争)。ターバンを巻いた彼らは攻撃的なナダクミンに反撃せず「お母ちゃんに言うたるからな〜」という予想外の言葉を繰り返しながら非暴力抵抗を貫いた。「灘山の手インド層」に昨年末新しい店がオープンした。メニュー名そのまま店名にしてしまったようなストレートさが意表をつく「チキンバターマサラ」のドアを開けた。同じくインド層にあったパンチの効いたカレーとインド人マスターが印象的な伝説の店「Desi Chai」に通じるモダンインド感がうれしい(そう、いかにもインド感苦手なんです)。ランチメニューの中から店名と同じチキンバターマサラのセットを注文すると、ターバンではなくベースボールキャップを被った若い店長が大きなナンと鮮やかなオレンジ色のカレーを運んできた。一口食べると印ナ紛争の切ない思い出が脳裏をよぎった。戦い途中で靴ひもがほどけたインド人少年兵のちょっと傾いたターバンと「もー!靴ひもほどけたやん」の叫びを!

チキンバターマサラ「Bセット」
●場所
神戸市灘区国玉通2-1-12-101(坂バス国玉通2バス停東)
●本日の昼食
チキンバターマサラ、ナン、サラダ
880円


【灘の昼ごはん359食目】あいちゃん「鮭塩焼定食」

昼150205

NHKで中井貴一ナレーションしてる「サラメシ」。なんのことかと思ったらサラリーマンの昼メシの略らしい。てっきり皿で供されるメシかと思ってた。なんかエサっぽくてイヤじゃないですか、サラメシって。なんか雑と言うか下品と言うか。やっぱり「昼ごはん」とか「定食」の方が言葉として好ましいと思うわけです。灘中央筋商店街の[あいちゃん]は、ザ・定食屋が少なくなってきた水道筋で定食然とした定食が食べられる貴重な店。近くの灘中央市場や畑原市場の素材を使った定食が食べられるのである意味市場定食とも言える。中でも鮭定食のストイックさがらまらない。味噌汁、ご飯、小鉢、そして鮭、見事なまでの様式美に昇華したコンポジション、ふっくらと焼き上げられた灘中央市場の田中商店の脂の乗った塩鮭、鮭定食なんて朝食かよと思うかもしれないが、ここの鮭定食はちゃんと昼ごはんだからうれしい。

あいちゃん「鮭塩焼定食」
●場所
神戸市灘区中原通2丁目1−15(坂バス灘中央筋商店街バス停北)
●本日の昼食
鮭塩焼、春雨の和え物、ポテトサラダ、冷や奴、味噌汁、雑穀米
680円


【灘の昼ごはん358食目】レストランパブロ「ひね鶏のスープカリー」

昼150108

スープは冬が似合う。暖かい湯気が立ち上る風情はもちろん、なんてったってことばの音(おん)がいい。「スー」の音は風の音や冬の寒さが感じられる。ほら、鉛色の冬空が眼前に浮かんでくるでしょ?そして間の抜けたようで暖かい「プ」の音がいい。寒さがプっと暖まる感じ。パでもピでもペでもポでもしっくりこない。スーパ、スーピ、スープ、スーペ、スーポ、ほら、スープが一番冬っぽいでしょ?坂バスの水道筋商店街北バス停のド真ん前にある[レストランパブロ]の平日ランチメニューが「スープボウルランチ」としてリニューアル。もう、名前だけで暖かくなってくるのですよ。真ん中がぽっこりと凹んだキュートな皿(スープボウルと言うらしい)の日替わりスープとパン、サラダ、コーヒーのセットで850円。スープといっても流動食的なそれではなくがっつり具が入ったタイプ、いや具にスープがかかっていると言った方がいいかもしれない。本日のスープボウルはひね鶏のカレー。サフランライスにドドーンと乗った、しっかりとしたひね鶏にスープボウルに入ったカレーをかけるというギミックが楽しい。流石パブロ、鶏だけでなく食べ方もひとひねり。カレーと言えば夏のイメージがあるが、カレーライスでもなくスープカレーでもないパブロのカリーはまぎれもない冬のカレーなのだ。

レストランパブロ「スープボウルランチ」(平日のみ)
●場所
神戸市灘区倉石通3-1-14テイク摩耶1F(坂バス水道筋商店街北バス停前)
http://www.restaurantpablo.byethost10.com/
●本日の昼食
ひね鶏のスープカリー、サラダ、コーヒー
850円


357食目 SORA「辛口チキンカレー」(灘の昼ごはん)

130708

坂バスのバス停で路線図を眺めていたらカレーが食べたくなった。坂バス=摩耶山=法道仙人=インド=カレーという単純な思考が始まると灘の夏は近い。ということで灘の昼ごはんリニューアル特別企画は坂バスに乗ってカレーをはしごすることにした。カレーを食べながらインドな摩耶山を目指す。なんか巡礼の旅チックでワクワクするでしょ。で、「灘の昼ごはん」はグルメブログではないので、今回の旅はカレーの味ではなくビジュアルにこだわることにする。カレーの佇まい、すなわちライスが摩耶山でルーが海、つまりカレー皿の中にいかに灘の世界感が表現されているかに注目したい。まずは岩屋のカレーショップ[SORA]から始めることにした。カレーメニューは和牛牛筋、スパイシーキーマ、辛口チキン三種。「ピリっとインド風に仕上げました」というコピーにひかれチキンカレーをチョイス。平面的なライスの盛りではあるが、中央部がキリっと立ち上がり、摩耶山のシルエット思わせる独立峰っぷりがいい。HAT神戸のビル群を表すかのようなチキンの肉片の配置、そしてなだらかに大阪湾に流れ出すルーのシャバシャバ感、奇を衒った感もなく忠実なジオラマ感あふれる灘カレーだ。

SORA「辛口チキンカレー」
●場所
神戸市灘区岩屋中町5(阪神岩屋駅南西)
●本日の昼食
辛口チキンカレー
750円

「灘の昼ごはん」356食以前のバックナンバーはこちら