【灘の朝ごはん3食目】しろかね珈琲店

通りから店内が丸見えの喫茶店を勝手に「見える化フェ」と呼んでいる。ガラス張りにしてオープンに、とかハッタリ系ポピュリスト首長の公約じゃないんだからと言いたい。喫茶店は街のシェルターだ。なんでもガラス張りにされちゃたまったもんじゃない。飲みすぎた朝とかパツンパツンにむくんだ顔でコーヒーをすする姿とか外から見られたくないじゃないですか。でも、店内から通りを歩く人を眺めるのは結構好きだったりする。だからといって外から見えず、中から見えるフィルムをガラスに貼ったらエロ本の自販機になってしまう。この矛盾を解決するのが高低差だ。一見、見える化フェ風の「しろかね珈琲店」の2階席は通りを歩く人と視線が合わず街を眺められる。駅へ急ぐサラリーマンが天神筋あたりの病院へ向かうお婆さんとぶつかりそうになって謝ったりしてるのを眺めてるとちょっと楽しい。視点が変わるといつもの街も違って見える。喫茶ローズの「低さ」もいいけど、しろかね珈琲店の「高さ」もいい。かつて「精密機械」と呼ばれた広島の北別府のような高低の使い分けが灘ライフを豊かにするんだよな〜、なんてウンウンとうなづいてたら水道筋交番のおまわりさんと目が合った。

しろかね珈琲店
●場所
神戸市灘区水道筋5丁目
●本日の朝食
モーニングプレートセットA
ホットコーヒー、ロールパン、目玉焼き、ベーコン、サラダ
450円


【今日灘の日】7月20日

[今日は灘の日]1934年(昭和9)7月20日 国鉄六甲道駅開業

『ノンコ マイ ラブ/六甲道』 金森隆&ルーマーズ(1977年)

『ノンコ マイ ラブ/六甲道』
金森隆&ルーマーズ(1977年)
B面の『六甲道』はギターの近藤敬三氏(下條薫)が作詞作曲。近藤氏は神戸出身でルーマーズ加入前に作っておいた『六甲道』を金森氏が気に入りレコーディング。当初は完成度の高い『六甲道』をA面にする予定だったが、担当ディレクターの一声で『ノンコ マイ ラブ』がA面になった。


【灘の昼ごはん366食目】あらたや「海爆弾」

「共謀罪」法が施行された。今後、東神戸マラソン(主催:ナダタマ)が「反神戸マラソンを掲げる危険分子のデモ行為」ということで監視の対象に入ったり、六甲縦走キャノンボールが「過激集団による六甲山山岳ゲリラ育成プログラム」などと因縁をつけられる可能性だって十分ある。そして灘区のリーサルウェポン「海爆弾・山爆弾」を「爆弾、海山各10個ずつ例の場所によろしく」とLINEで発注しただけでパクられるかもしれない。恐ろしい世の中になった。この日は摩耶山下山部だった。摩耶山から男女23名が爆弾(海爆弾と山爆弾)をリュックに忍ばせて桜谷を下った。ここだけ読むと連合赤軍の山岳訓練みたいだ。まずい。徳川道との合流点、摩耶山屈指の昼ごはんスポット桜谷出合で昼飯。海爆弾は別名「携帯幕の内弁当」と言われる通り、おむすびの中に塩サバ、海老の唐揚げ、竹輪甘辛煮、昆布佃煮など海の幸がゴロゴロ詰まっていてなかなかの破壊力。それにしても山の中は安心だ。監視カメラのない山の中では爆弾をパクついてもパクられることはない。

あらたや「海爆弾」
※毎月第三土曜日に摩耶ロープウェー虹の駅構内の「虹の茶屋」にて限定発売
●場所
神戸市灘区篠原南町7丁目(東畑原市場)
●本日の昼食
海爆弾(塩サバ、海老の唐揚げ、竹輪甘辛煮、昆布佃煮)
400円


【灘の朝ごはん2食目】喫茶ローズ

喫茶「ローズ」のテーブルは低い。どれくらい低いかというと「今日は、暑いのう」とか言いながらパタパタとうちわを仰いでいる笠智衆を捉える小津安二郎のカメラの位置くらい低い。わかりにくいな。このちゃぶ台以上テーブル未満の、いわゆる「純喫茶」独特のテーブルの高さは、ちゃぶ台という和の文化とカフェという洋の文化がせめぎあった末のいい塩梅の高さなのではないか。知らんけど。やがて膝の高さのテーブルにトーストとコーヒーが運ばれてくる。壁に目をやるとALTECのスピーカーとエキストラコーヒーのカレンダー、年代物の巨大なダイキンのクーラーがブンと低い唸りを上げながら冷気を吐き出す。月曜日特有の気ぜわしい前のめり感がふっと落ち着く。ここはあえて月曜日の朝に行くのがいいかもしれない。丸みを帯びた窓枠に金色のカーテンがかる0系新幹線のグリーン車のような窓からは坂道が見える。梅雨の時期は地獄坂を登る神戸高生の足取りも重い。今日も暑くなりそうだ。

喫茶ローズ
●場所
神戸市灘区天城通7丁目
●本日の朝食
ホットコーヒー、トースト
280円


【今日は灘の日】7月9日

1967年(昭和42)7月9日 集中豪雨(329mm/日)により摩耶山、六甲山麓の崖崩れ、都賀川、観音寺川、西郷川などが押し流した土砂で被害甚大。篠原本町の田岡邸前には土砂が堆積。灘区内の被害は死者6、行方不明1、重傷3、家屋全壊・流出64、半壊62、床上浸水357、床下浸水1541、河川決壊6、溢水氾濫15、決壊危険11、橋破損3、山崩れ16、崖崩れ10、石垣崩れ1、道路閉塞13、道路崩壊3、溝溢水17

日柳川が氾濫し始めた灘公設市場付近

篠原本町の被害状況


【灘の昼ごはん365食目】largo「海老とバジルとチェダーチーズの生麺パスタ」

灘区に大きな被害をもたらした昭和13年の阪神大水害は7月5日、昭和42年豪雨は7月9日、いずれも台風に刺激された梅雨前線による集中豪雨によりもたらされた。灘クミンにとって前線と台風の組み合わせはトラウマなのだ。昭和42年豪雨では摩耶山のいたるところで土石流が発生し、大量の土砂が街を飲み込んだ。山が近いとはそういうことだ。普段はおだやかな六甲山だっていつ牙を剥くかわからない。もちろん山が近くていいこともたくさんある。山を降りればすぐ街があるという環境は神戸に住むことの大きなアドバンテージだと思う。山と街をつなぐ坂バス「水道筋商店街北」バス停からほど近い灘センター商店街の隠れ家系イタリアン「Largo」は山帰りに寄りたい店の一つ。和食器に盛り付けられたもちもちっとした太めの生麺に海老とチェダーチーズのソースが濃厚に絡み、休日の下山後とかにワインと合わせるとドンピシャだよなーなどと思いつつ、今日はぐっと我慢。店の前にはハイカーのためのリュックを固定する(らしい)フックまであるという山帰り仕様もうれしい。店を出ると商店街のアーケードにトリミングされた新緑の摩耶山が間近に見える。明日は登って下りて飲んで食うぜ!

largo「海老とバジルとチェダーチーズの生麺パスタ」
●場所
神戸市灘区倉石通2丁目(灘センター商店街)
●本日の昼食
海老とバジルとチェダーチーズの生麺パスタ、サラダ
800円(税別)


【灘の昼ごはん364食目】シバサクティ「カレーうどん」

インドルーツのカレーと日本のうどんが合体したカレーうどんは誕生当初はキワモノ扱いだったと思う、おそらく紆余曲折の歴史を辿ってきて「日本の味」として定着したのだろう。そんなカレーうどんの歴史を真っ向から否定するカレーうどんが灘にある。そもそも通常うどん店のメニューであるカレーうどんが、インド料理店で供されるのだ。まずうどんが皿に盛り付けられているというビジュアルにハッとさせれらる。皿うどんではなく皿カレーうどん。そして緑色がかったルー(ほうれんそうとチキン)の半端ないなんじゃこれ感。本当にこのビジュアルでいいのかという若干の疑問を感じつつ一口食べると爽やかなデカン高原の風が体の中を抜ける。インド文化が日本文化と融合してさらにインド化されるという前方伸身宙返り3回ひねり的なカレーうどんだった。案外神戸らしいメニューかもしれない。

シバサクティ「カレーうどん」
●場所
神戸市灘区水道筋6丁目
●本日の昼食
カレーうどん(ほうれん草とチキンのカレー)
700円