【ナダタマアーカイブス】灘の昼ごはん(naddis120510)

V3という仮面ライダーを覚えているだろうか。イタリアの名車、ランチアストラトスを彷彿とさせるイタリアンカラーに身を包んだV3のデザインは衝撃的で、それまでの地味な1号、2号ライダーが時代遅れに見えた。なにより怪人達がステキ過ぎた。V3に登場する合成怪人は自然物と人工物を無理矢理合体させたというシロもので、これがかなりユニークだったのだ。カメ+バズーガ砲=カメバズーガなどはかわいい方で、テレビ+ハエ=テレビバエ、磁石+イノシシ=ジシャクイノシシなど強いのか弱いのか分からない即物的な異形の怪人たちに心を躍らせた。そして自分でも新しい怪人をつくって楽しんだ。ノコギリネコ、タコナイフなど、合成させるものの落差が大きいほど魅力的な怪人になった。灘中央市場にあったお好み焼き[なかむら]跡に、新店舗ができた。[なかちゃん]というお好み焼きにありがちな店名にも関わらず中華がメインという意外性。名付けて「鉄板中華」。鉄板+中華…それはV3の合成怪人に匹敵する蠱惑的な響きがある。元々某ホテル中華の料理人だったオーナーが、たまたま鉄板のある店で独立することになったのでこのジャンルが確立したという経緯もステキだ。分厚い鉄板の上にはスープが入った大きな寸胴鍋という風景も新鮮。V3的な「エビチリ焼きそば」を注文した。エビチリと鉄板焼きのそば焼がどのように融合するのか?焼き上がるまで水餃子をつまみながらワクワク待つ。中華麺ではなくそば焼き用の太麺を表面がカリっとするまでじっくりと焼いている間に、手際良くフライパンでエビチリをつくる。そしておもむろに振り返り鉄板の上のそばとエビチリを合体。「ジュワー!」エビチリのあんが鉄板の上に踊り、プリプリのエビが焼きそばの上に鎮座した。いや~たまらん。中華料理が鉄板という舞台で新たな命を吹き込まれたように思えた。エビチリ+焼きそばはカメバズーガを越えた。

なかちゃん「エビチリ焼きそば」
●場所
水道筋3(灘中央市場内)
●本日の昼食
エビチリ焼きそば
730円