【灘の朝ごはん3食目】しろかね珈琲店

通りから店内が丸見えの喫茶店を勝手に「見える化フェ」と呼んでいる。ガラス張りにしてオープンに、とかハッタリ系ポピュリスト首長の公約じゃないんだからと言いたい。喫茶店は街のシェルターだ。なんでもガラス張りにされちゃたまったもんじゃない。飲みすぎた朝とかパツンパツンにむくんだ顔でコーヒーをすする姿とか外から見られたくないじゃないですか。でも、店内から通りを歩く人を眺めるのは結構好きだったりする。だからといって外から見えず、中から見えるフィルムをガラスに貼ったらエロ本の自販機になってしまう。この矛盾を解決するのが高低差だ。一見、見える化フェ風の「しろかね珈琲店」の2階席は通りを歩く人と視線が合わず街を眺められる。駅へ急ぐサラリーマンが天神筋あたりの病院へ向かうお婆さんとぶつかりそうになって謝ったりしてるのを眺めてるとちょっと楽しい。視点が変わるといつもの街も違って見える。喫茶ローズの「低さ」もいいけど、しろかね珈琲店の「高さ」もいい。かつて「精密機械」と呼ばれた広島の北別府のような高低の使い分けが灘ライフを豊かにするんだよな〜、なんてウンウンとうなづいてたら水道筋交番のおまわりさんと目が合った。

しろかね珈琲店
●場所
神戸市灘区水道筋5丁目
●本日の朝食
モーニングプレートセットA
ホットコーヒー、ロールパン、目玉焼き、ベーコン、サラダ
450円


【灘の朝ごはん2食目】喫茶ローズ

喫茶「ローズ」のテーブルは低い。どれくらい低いかというと「今日は、暑いのう」とか言いながらパタパタとうちわを仰いでいる笠智衆を捉える小津安二郎のカメラの位置くらい低い。わかりにくいな。このちゃぶ台以上テーブル未満の、いわゆる「純喫茶」独特のテーブルの高さは、ちゃぶ台という和の文化とカフェという洋の文化がせめぎあった末のいい塩梅の高さなのではないか。知らんけど。やがて膝の高さのテーブルにトーストとコーヒーが運ばれてくる。壁に目をやるとALTECのスピーカーとエキストラコーヒーのカレンダー、年代物の巨大なダイキンのクーラーがブンと低い唸りを上げながら冷気を吐き出す。月曜日特有の気ぜわしい前のめり感がふっと落ち着く。ここはあえて月曜日の朝に行くのがいいかもしれない。丸みを帯びた窓枠に金色のカーテンがかる0系新幹線のグリーン車のような窓からは坂道が見える。梅雨の時期は地獄坂を登る神戸高生の足取りも重い。今日も暑くなりそうだ。

喫茶ローズ
●場所
神戸市灘区天城通7丁目
●本日の朝食
ホットコーヒー、トースト
280円


【灘の朝ごはん1食目】カフェ・ド・ピコロモンド

今朝は大石のBSショッピングセンターから25年前に王子公園の東に移転した老舗喫茶店「カフェ・ド・ピコロモンド(旧ピッコロ)」で分厚いトーストをかじり、コーヒーをすする。大きな窓から青谷リバーを眺めているとヘンリー・マンシーニの名曲「ムーンリバー」を思い出した。学生時代「ティファニーで朝食を」を初めて見たときティファニーという喫茶店にヘップバーンが朝飯を食べに行く映画かと思ってたら全く違っていた。数年後、女の子へのプレゼントはティファニーのオープンハートというバブリーな時代になったが、当時の僕にはそんなものは買えず、結局リンゴの形をしたピアスを誕生日に渡したと思う。あれから30年経った。そして「カフェ・ド・ピコロモンド」は今年創業50年を迎えるそうだ。

カフェ・ド・ピコロモンド
●場所
神戸市灘区中原通7丁目
●本日の朝食
ホットコーヒー、トースト
450円