【灘の昼ごはん372食目】箸でサンドイッチ

前回のエントリーにこんな選評をいただいた。「キュウリ嫌い。これは、当事者には深刻なアイデンティティーと向き合うテーマかもしれないが、キュウリ好きの読み手にとっては対岸の火事であって、同調しにくい。なるほど、そういう問題も起こるのであろうという程度で、他人事を延々と読まされて退屈だった」 おっしゃる通りだが僕にとっては大問題なので今回もキュウリネタだ。水道筋で隠れファンの多い(別に隠れてないか)しろかね珈琲店の人気メニュー玉子野菜サンド。残念なことにデフォルトではキュウリが入っているのでキュウリぬきをオーダー。なのに出てきたサンドイッチにはキュウリが入っていたのですかさず指摘した。「すいません!すぐ作り直します」という言葉にとてつもない罪悪感を感じた。なんで俺はキュウリが嫌いなんだろうと自責の念にかられていたところ、となりの客が玉子野菜サンドを注文した。よかった、さっきのが回せる。ほっとする。とにかくしろかねの玉子野菜サンドは分厚い。思いっきり頬張るとふんわり焼かれた厚焼き玉子は口の中でさっと溶ける。サンドイッチの語源はイギリスの貴族、サンドイッチ伯爵がゲームを続けながら片手で食べられるようにパンで具を挟んだという俗説がある。しかし、分厚くてふわふわのしろかねの玉子野菜サンドは箸でつまんだほうが食べやすい(当社比)。あれだ、カップヌードルをフォークで食う感覚に近い。サンドイッチ伯爵はこんな食べ方は想定していなかっただろうけど知ったこっちゃない。それが文化だ。

しろかね珈琲店「玉子野菜サンド」
●場所
神戸市灘区水道筋5丁目
●本日の昼食
玉子野菜サンド(キュウリ抜き)、ホットコーヒー
800円