【灘の昼ごはん376食目】晴れときどきハンバーガー

昔三宮にあった「コスモポリタン」の奥にあったレストランのメニューに「コスモバーガー」というのがあった。パンとハンバーグが別々に出てきて自分でセットするスタイル(だったと思う)で赤いプラスチック製の爪楊枝に刺さったピクルスが添えられていた。とにかくオシャレ感と美味さが衝撃的だったのでこれが毎日食べられたら死んでもいいと子供心に思った。そんな私の心を見抜いたオカンが天気のいい日曜日に時々ハンバーガーを作ってくれた。いや、正確にはハンバーガーではなかった。当時は丸いパン(バンズっていうの?)なんか売ってなかったので、食パンにハンバーガーを挟んだハンバーグサンドだ。ミンチは灘中央市場の老舗、土居精肉店の合挽き、そして赤い爪楊枝にささったピクルスが添えられていた。当時ピクルスなんて元町の明治屋か神戸グローサリーズにしか売ってなかったんじゃないか?わざわざ買いに行ってたのだろうか。あれから40年以上経った。オカンとコスモポリタンはなくなったが土居精肉店は健在だ。5代目が土曜日と日曜日にときどきハンバーガーを始めるようになった。派手な演出も嘘くさい香辛料も一切ないシンプルな精肉店ならではの「ザ・ハンバーガー」を頬張る。五月晴れの王子動物園で食べたオカンのハンバーグサンドを思い出した。

土居精肉店「ミニバーガー、ベーコンチーズバーガー」
●場所
神戸市灘区水道筋3丁目5(灘中央市場)
●本日の昼ごはん
ミニバーガー 330円
ベーコンチーズバーガー 750円


【灘の朝ごはん4食目】ロイヤルホスト西灘店

阪急王子公園駅という呼び方がしっくりこない。いや、水道筋の最寄駅が王子公園というのがしっくりこないと言った方がいいかもしれない。水道筋のデコンストラクションな風情と公園という整ったイメージが合わない。これはもう「ちぎれた愛」の西城秀樹が能天気な「YMCA」を歌うくらい違和感がある。こんなのヒデキじゃないと子供心に思った。やはり水道筋の最寄駅は「西灘」であって欲しい。「ロイヤルホスト西灘店」はまだ阪急西灘駅だったころ開業した。かれこれ40年ほどの歴史がある灘区ファミレス界の老舗だ。どんどんと王子公園化される界隈で今でも「西灘」を名乗るという心意気が嬉しい。窓際の席に陣取る。ロイヤルホスト自慢の大きい窓から、朝日に輝く山手幹線を眺めながらホットコーヒーをすするのが西灘の朝に似つかわしい。今日はブルースカイが広がっていた。このあたりは神大闘争で武装した学生と機動隊が対峙した場所だ。振り向けばあの時の目にしみる空の青さ思う。

●場所
神戸市灘区城内通1丁目6−22
●本日の朝食
トースト&サラダモーニング
ホットコーヒー、トースト、サラダ
475円


2018/3/21(水祝)「本読みの時間×トーク」 〜松本隆の世界〜


春色のケーブルカーに乗ってマヤに連れて行ってよ。
摩耶山頂で松本隆のことばに出会う。
恒例の朗読イベント「本読みの時間」、今回は朗読×トークセッション×ライブという特別バージョン。
甲斐祐子さんはじめ、関西小劇場の実力個性派・有元はるかさん、さかいしんごさんという三人での朗読と、柴田航さんのギター、昭和の歌謡曲や演歌の研究者である輪島裕介さん(大阪大学文学部准教授) 、歌うライター松本創さん、灘の松本隆フリークnaddistのトークで神戸在住の稀代の作詞家、松本隆の詞の世界観に迫ります。

●日時
2018年3月21日(水祝)
15:30 開演 (15:00 受付開始 17:00 終演予定)

●会場
摩耶ビューテラス702(星の駅2階)

●参加費
1800円(ワンドリンク付き)

●出演
甲斐祐子・有元はるか(カヨコの大発明)・さかいしんご(ババロワーズ)
柴田航(ギター)、輪島裕介、松本創、naddist(トーク)

●申込方法
下記サイト申し込みフォームからお申し込みください
クービック予約システムから予約する

●主催
摩耶山再生の会


2018/2/3(土)第13期灘大学vol.5「灘秘宝館 前田コレクション」

2月の灘大学は「灘秘宝館 前田コレクション」
とてもじゃないけど見せられない灘の秘宝の数々を灘中央市場「漬物茶屋たけちょう」2階の特設会場にて一挙展示。今回のテーマは「六甲・摩耶」です。水道筋会館での学芸員トークは要申し込みです。
当日は灘中央市場のグルメイベント「紙皿食堂」も開催中。

●日時
2018年2月3日(土)
講義:10:00〜12:00
展示:13:00〜17:00ごろ

●会場
講義:水道筋会館
展示:漬物茶屋たけちょう 2階

●受講料
500円(灘大学生は無料)
※受講料は会場にてお支払いください
※展示のみの観覧は無料

●申込方法
・メールで
住所、氏名、電話番号、灘百選の会の会員・非会員を記入の上件名に
「2/3灘秘宝館係」と明記し下記までお申し込みください。
nadaku@office.city.kobe.lg.jp

●主催・問い合わせ
「灘百選の会」事務局 TEL:078-843-7001(内線224)


2017/12/9(土)第13期灘大学vol.3「灘ドボク学~六甲山と砂防ダム」

12月の灘大学はドボク学。昭和42年の集中豪雨から50年。神戸の街を守ってきた縁の下の力持ち、砂防ダムについて学びます。

●日時
2017年12月9日(土)10:00〜12:00

●会場
9:45五毛会館

●受講料
500円(灘大学生は無料)
※受講料は会場にてお支払いください

●申込方法
・メールで
住所、氏名、電話番号、灘百選の会の会員・非会員を記入の上件名に
「12/9灘大学ドボク係」と明記し下記までお申し込みください。
nadaku@office.city.kobe.lg.jp

●主催・問い合わせ
「灘百選の会」事務局 TEL:078-843-7001(内線224)


【灘の昼ごはん375食目】シマの食堂

開港150年に沸く(そんなに沸いてないか)10月、神戸港の片隅で摩耶埠頭はひっそりと竣工50周年を迎えた。もちろん派手なセレモニーなどなかった。かつて摩耶埠頭は世界とつながるユメのシマだった。コンテナヤードにはレゴブロックのように色とりどりのコンテナが積み重ねられ、埠頭を渡る風はゲイラカイトを空高く舞い上げた。小さなディーゼル機関車がコンテナを載せた重そうな貨物列車をけなげに引っ張っているのをぼーっと眺めるのは至福のひと時だった。時はすぎ貨物線は廃止され、コンテナも減り、9頭いた岸壁の赤いキリンも今や1頭だけになってしまった。シマには当時のミナトの香りが残る小さな食堂がある。「ピアハウス 摩耶1」という名前がつけられているが、通称「ローキュー」と呼ばれる港湾労働者休憩所だ。店は食券形式で一月分の平日日替わりランチメニューが壁に張り出されている。驚くべきことに本当に1日たりとも同じメニューがない。「マヤカレーセット」「150周年記念ビフカツランチ」も気になるが、今日は該当日ではないのでAセット。500円でおかずが二品選べるシステムだ。おかず1品のBセット(370円)もある。ハイカラなドミグラスではなくとんかつソースがかかったコロッケと煮物。たっぷりとよそわれたメシ。ハイカラという言葉ではくくれないリアルなミナトコーベの味だ。

ピアハウス 摩耶1「Aセット」
●場所
神戸市灘区摩耶埠頭
●本日の昼食
Aセット
・コロッケ2ケ、イワシフライ
・煮物(ひろうず、大根、高野豆腐、人参、しいたけ、つくね)
・ご飯
・味噌汁
500円


【ナダタマアーカイブス】NADA sonic02(naddis990412-14)

製鉄所の煙突の見える風景(『ミナト神戸』神戸市神戸国際観光協会 刊)

校歌って皆さん覚えていらっしゃいますか?
たいてい、その地の地名や歴史が織り込まれ、ご当地ソングとも言えないこともありません。灘区には数々の学校がありますが、その中でもnaddisticな校歌と言われる「神戸市立原田中学校」の校歌を取り上げてみます。

原田中学校は灘区南西部に位置します。
原田という地名は今の王子公園近くを指すのですが、そこから全然離れた場所にあります。これは創立した場所が現福住小学校のあたりだったからでしょう。「厚木」にある「青山」学院大学みたいなもんでしょうか。
普通、阪神地方の校歌の歌詞は、「六甲」「ちぬの海」等の風光明媚系地理的条件から始まるものが多いのですが、ここの校歌はのっけから一風変わっています。

「なびく煙は…」

なんと、大胆にも大気中の煤煙の状態から入っているのです。
この歌詞の作者は校歌作詞界の松本隆ともいわれている、重鎮富田砕花氏です。富田氏は、校区をくまなく歩き生活環境を調査して作詞したそうです。芦屋在住の富田氏は、当時(S33年)の灘区南西部の煙突の数、煙の量に圧倒されたのでしょう。いまでこそ、煙突は少なくなりましたが、当時の写真をみると恐ろしい位の煙突の数だったようです。そして、煙、煙、煙。
あの六甲をも曇らせる、あのちぬの海をもどんより覆う、「灘の煙」これを書かずして何が地元の校歌だ、もう煙しかない、誰が何といおうと煙だ、そう思ったに違いありません。

「なびく煙は…よしこれでいこう!いやまてよ…」
富田氏はふとこう思ったのではないでしょうか?
「いくら灘の名物とはいえ、こんな負のイメージのものを出だしに使ってよいのか?これが反公害住民運動に発展したらまずいのではないか?」
ここから富田氏はプロの腕を発揮します。
こう続けました。
「なびく煙は…生活の息吹に応え渦巻けど!」
そう負のイメージである「町の煙」を「生活の息吹に応え、日本の高度成長を支えるダイナミックで頼もしいヤツ」即ち正のイメージへと見事に昇華したのでした。

今は、すっかり煙突も煙も少なくなり、洗濯物が赤くなることもなくなりましたが(多分)、この校歌には、当時の灘の煙突の風景がこっそり記録されているのです。

注:文中富田氏のセリフ、心情の変化はあくまでもフィクションです。

 

(naddis990412-14 NADA sonic02「陰のご当地ソング」 1999.4.12より)